無題

口利き屋が母親を亡くした子供の手を引いて子供のいない金持ちの家々を訪れる。

「やっぱり、大きい家に引き取られる方がいいね」
「引き取られた家では言うことを聞いて、決して逆らっちゃだめだよ」
「誰よりも大切にして欲しいんでしょ?その通りするんだよ」
子供は母親の写真を握りしめながら頷く
口先三寸を使ってでも、何とかこの子をどこかの家に養子に出さなきゃ
いつまでもこの子にかまってもいられない。




月が明るくて
あまりにも明るくて
僕は目覚めた
なかなか寝付けなくて
水を飲みに行こうとして
聞いてしまった
父さんと母さんの話
兄さんは、父さんと母さんの子供じゃない
本当は、よその家の子だって


お前はホントにこの家の子供なの?
弟に聞かれて僕は反対に聞き返した
誰に聞いたの?
彼は答える
「お月さまが教えてくれたんだ、ねぇ本当なの?」
どこか気まずそうに弟は言う
「口利き屋に、ここまで連れてこられたの」
僕は正直に答えた
その瞬間から、僕は弟と兄弟ではなくなった

みんな、僕のことを邪魔者のように扱う
本当は貰われてきた子供だから
養父も養母も義弟も
みんな、みんな
僕をいじめる
どうして?
僕、いい子にするよ?
ちゃんと言うこと聞くよ?
だから、お願いします
優しくして・・・


やめて
そんな目で見るのは
哀れむ目も、蔑む目も
そこに潜むモノは・・・・・
怖いよ


優しいのは
写真の中の母様だけ
優しい目で、僕を見てくれる
でも、写真の中にしかいないから
母様も優しい声はかけてくれない


夢を見た
お月さまが、見せてくれたんだ
母様に合わせてくれたんだ
母様が、僕に微笑みかけている
幸せだよ
でも、やっぱり
何も言ってくれないんだね


夢から覚めたのは明け方
窓の外が真っ赤に染まる
夢の余韻
窓に、母様の影が見えた!

母様、母様
僕は母様の所へ走り寄る
あぁ、まるで羽が生えたみたいに
窓から飛び立つ
まだ、沈まずにいた
月が
遠ざかる・・・・?

母・・様・・・・・・





おや、あの子は死んだのかい?
そう、窓から飛び降りて
母親の写真を抱えてたって?
あれは違うよ、あんまり母親に会いたがるから
適当に女の写真を渡しただけさ
さて、今度はこっちの子をもらっちゃくれないかい?
今度の子はきっと、ちゃんと旦那の言うこと聞くだろうからさ
あぁ、そうかい
引き取ってくれるかい、それは助かったよ
いつまでもこの子一人にかまっちゃいられない

さて、坊や
「引き取られた家では言うことを聞いて、決して逆らっちゃだめだよ」
「誰よりも大切にして欲しいんでしょ?その通りするんだよ」
子供は『母親』の写真を握りしめながら頷く

さてさて、今度はちゃんと、幸せになれるかな?









無謀にもあさきの歌、しかもその中でも難しい部類の『蛹』の歌詞の解釈文を書いてみました
ほんとに歌詞のどの部分についても、どうとでも取れるし、どうとでも取れない状況でした
いろいろなサイトを巡ってみて、とりあえず母親死亡説をとってみました
その後は、麻人の勝手な解釈で書きました
同意して下さる方は少ないと思います(と言うよりいないだろうなぁ)
一応、歌詞に出てきた要素は消化してると思います
でも、本当にこの歌はいろいろな解釈ができますので
いつかまた、全く違う解釈文を書くかもしれません。



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